膵嚢胞と言われたら?経過観察の体験談

健康

人間ドックが終わった後「膵臓に嚢胞があります」と言われたのが2021年のこと。

腹部エコー検査の結果を聞いていた私に、医師はこんなふうに説明した。
「膵臓に水が溜まった空洞のようなものがあって、これ膵嚢胞といいます。半年ごとにCT検査で経過を見ていきましょう」。

えっ……膵臓って。その言葉を聞いただけでなんとなく他の臓器とは違う怖さを感じてしまった。もし異常があったら——そんな考えが頭をよぎって心の中が少しざわついた。
同じように膵嚢胞と言われて不安を抱えている方に向けて、経過観察で感じたことを書いておこうと思う。

膵嚢胞と言われた直後にやったこと

膵嚢胞について検索するスマートフォン

帰りの電車に乗りながらスマホで検索。検索結果には「膵臓がんのリスク因子」「悪性化の可能性」といった言葉がたくさん並んでいた。膵臓がんといえば、がんの中でも生存率が低いことで知られている。
その頃の私は、がん宣告を受ける前なので知識があまりなかったが、知っている有名人もこれが原因で多数亡くなっている記憶があり、そのきっかけになりうるものが自分の体の中にあるという事実はけっこう不安になった。

その後、ある日の診察のとき、思い切って医師に聞いてみた。

「膵嚢胞って治るんですか?」
「治りません(即答)」
「……」

その一言のショックは今でも覚えている。もう少し柔らかく言ってほしかったとも思うが、まあ事実なのだから仕方がない。

膵嚢胞とはどういうものか

少し整理しておくと、膵嚢胞とは膵臓の中や周囲にできる袋状の病変で、中に液体が溜まっているものです。
種類はいくつかあるようで、ほとんどは良性だが一部は悪性化するリスクがあるとされています。なので放置していいとはならず、定期的な経過観察が必要になるとのこと。

自覚症状はありません。私も人間ドックで見つけてもらうまでまったく気づかなかった。
健康診断や人間ドックの普及によって、以前は見つからなかったような小さな膵嚢胞が発見されるケースも増えているらしい。私のように「言われてみれば確かにある」という人は実はそれなりにいるみたいです。

経過観察、実際どうやってるか

経過観察で使うCTスキャン装置

指摘されてからもう5年超、今も半年ごとのCT検査を続けてる。
途中から、直腸がんの手術後経過観察と同じタイミングでCTを受けるようにしてくれた。理由はCTの被ばくをなるべく減らすためで、CT検査は1回あたりの被ばく量が多くはないものの、何度も繰り返すと積み重なるのでよくないようだ。
よって、一回で膵臓もその他の臓器も一緒に見てもらえるようにうまく組み合わせてもらってます。

ついでに知ったことだけど、膵嚢胞の精密検査として「超音波内視鏡(EUS)」というものがあります。医師いわく「胃カメラの先端に強引に超音波装置をつけたものを胃の中に入れて、胃壁越しに膵臓を詳しく観察する検査」で、通常のCTより精度が高く本気出すときはそれをやるらしいです。

私の場合は「今の状態でそこまでする必要はない」と判断されているのだが、嚢胞の大きさや種類によってはEUSを勧められることもあるようだ。

「気にしても仕方ない」と言われても気になる、でも

穏やかな朝の窓辺とお茶

検査のたびに「特に変化はありません、このまま経過観察を続けましょう」という結果が続いていて、主治医には「気にしても仕方ないから普通に過ごせばよいですよ」と言われています。

それはわかってる。頭ではわかってる。でも、検査結果を聞く瞬間は毎回少し緊張する。「嚢胞が大きくなってます」「悪い兆候があります」とか言われたら、という想像が頭をよぎる。がんの経過観察を含めると3か月に1回緊張しているので多少慣れてきた部分もあるけど、完全に慣れることはおそらくない。

ただ、よく考えると、半年ごとにしっかり膵臓を見てもらえるということは、万が一がんになったとしても早期発見できる可能性が非常に高いということ。
膵臓がんは自覚症状が出にくく、見つかったときにはすでに進行しているケースが多いと言われているけど、私の場合は、半年に一度、確実にCTで膵臓を確認してもらえる体制が整っている。

これはむしろ何も指摘されていない人より有利な状況ではないか——そう思えるようになった。すると、ちょっとだけお得感を感じるようになりました。

膵嚢胞と言われたら、どうすればいいか

診察予約を書き込んだ手帳

私の経験をもとに、同じ状況の方へ伝えられることをまとめると、こうなります。

検索しすぎない
最初にネット検索ばかりして怖い情報が目に入り、必要以上に不安になりました。正しい知識を得ることは大事ですが、個人差が大きい病変なのでネットの情報で自分のケースを判断しようとすると混乱するだけ。

医師の指示通りに経過観察を続ける
これが今のところ最善の対応だと思う(あたりまえだけど)。何もしないのではなく、しっかり定期的に見てもらうことで、万が一変化があっても早期に気づける。

「治らない」を「ずっと見てもらえる」に読み替える
治らないという事実は変わらない。でも半年ごとに必ず確認してもらえるということは、異常があればすぐ気づける体制が整っているということでもある。

最近は、この経過観察をむしろ前向きに捉えられるようになってきた。半年に一度、膵臓をしっかり見てもらえる。治らないけれど、ちゃんと付き合っていけるものだと思ってます。

※この記事は個人の体験談です。膵嚢胞の種類・大きさ・状態によって対応は異なります。必ず担当医の指示に従って経過観察を続けてください。

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