肺に影が見つかった体験談|サルコイドーシス疑い6年目の今

健康

人間ドックのレントゲンで「肺に影があります」と言われた。

45歳のときで、自覚症状は何もなかった。
咳も出ない、息切れもない、体のどこにも異変を感じない、なのに肺に影がある。
「なんやろ?」くらいの気持ちで聞いていたが、医師の様子がいつもと違う。
家族のことを聞かれたとき「これ、もしかしてまずい状況なんかな」と初めて気づいた。

それから検査入院、組織採取、生検と続いた。
結果は「悪性ではない」。
ほっとしたけど「じゃあ何なんや」というモヤモヤはずっと残った。

確定診断は今も出ていない。
「サルコイドーシス疑い」のまま、6年間経過観察を続けている。

人間ドックで「肺に影がある」と言われた|45歳・無症状での発見

45歳、毎年受けている人間ドックでのことだった。

レントゲンの結果を見た医師に「肺に影があります、精密検査が必要です」と言われた。
影、という言葉は、なんとなくテレビとかで肺がんの告知シーンとかで知っていたけど、頭の中でそれが結びつかず、特に何も感じず聞いていた。

でも医師の対応が気になった。
「ご家族はいらっしゃいますか?」という質問。
その質問の意味に気づいたとき、少しだけ怖くなった。
肺がんや結核だったら、家族への影響も考えなければいけない。
今考えると、医師は内心焦っていたんじゃないかと思う。

「いや、どうしよ、いややな」くらいの気持ちで、その日は病院から帰った。

人間ドックの検査室(写真)

検査入院・肺カメラ・生検の流れ|個室に案内されたときに察したこと

後日、CTを撮ってから、鎮静剤を使った肺カメラで組織の一部を採取して生検する流れになった。
そのために検査入院が必要だと言われ、一泊の予定で昼過ぎに病院へ向かった。

病院に着いて、個室に案内される。大部屋ではなく個室。頼んでいないのに。

「あ、個室なんや」と思ったとき、なんとなく察した。
何かまずい理由があるんやろな、と。
そして「これ、もしかしてあかん病気の可能性があるんや」と、イヤな現実味が出てきた。

後から知ったことだけど、悪性の結核の可能性がある場合、他の患者への感染リスクを避けるために個室対応になるらしい。そういう処置だったんだと、あとで納得した。

そして肺カメラ。医師の説明によると、胃カメラの細い版らしい(そのままですな)。
肺カメラは通常で鎮静剤を使うらしく、検査中は何も感じなかった。
ただ、意識が戻ったときに咳をしたら血の混じった痰のようなものが出て一瞬怖かった。
胃カメラや大腸カメラと比べると、だいぶ大がかりな検査だった印象がある。
結核の可能性も考慮しての対応だったんだと思う。

部屋に運ばれて夕食が出たが、おかずがほとんどなくてご飯だけみたいな内容だった。
空腹感がすごくて、それが一番しんどかったかもしれない笑。
そして翌朝には退院した。

「悪性ではない」でも確定診断が出ない理由とモヤモヤ

数日後、結果が出た。

「悪性ではありませんでした」という言葉で、まずほっとした。
肺がんでも結核でもなかった。そのときはそれだけで安心してそれ以上深く聞かなかった。

でも後日、少し落ち着いてきてから「じゃあ結局何なんやろ」という気持ちが強くなってきた。
自分でネットで調べてサルコイドーシスという病名にたどり着く。
そして、次の診察のときに「これってサルコイドーシスって病気ですか?」と医師に聞いてみた。
ほんで返ってきた答えは「その可能性が高いと思いますが…」くらいのものだった。

詳しい事情はわからないけど、実はあの検査、悪性かどうかの確認が主な目的だったようで、サルコイドーシスを確定させるための検査はしていなかったらしい。
確定診断のためには改めて組織を採取して検査する必要があるが、医師からは「わざわざ再度組織を採取して確定させることにあまり意味がない」というニュアンスの説明を受けた。

うーん、なんかモヤモヤはあった。生検したなら診断もしてくれよ~って内心思ってた。
でも確定しても確定しなくても対応は変わらないなら、まあしゃあないか。
そう割り切って「疑い」のまま経過観察が始まった。

朝の静かな病室(写真)

サルコイドーシスとは何か|原因不明の難病を自分で調べてわかったこと

改めて調べてわかったことをまとめておく。

サルコイドーシスとは、肺や皮膚、目などに肉芽腫(炎症の塊のようなもの)ができる病気で、原因不明の難病だ。日本では厚生労働省の指定難病にも指定されている。
でも感染することはなく、悪性の病気でもないみたい。

日本呼吸器学会の資料によると、約30〜40%の患者は自覚症状に乏しく、健康診断で発見されるという。自分もまさにそのパターンだった。

調べていて少しショックだった記述がある。
「3〜5年で消失しなければ、そのまま残り続ける可能性が高い」というものだ。
「ああ、あと数年で消えなければ、もう俺の肺はずっとこのままなんか」と思った。
悪性じゃないとわかっていても、肺に何かがずっとある。そういう事実はなんとなく気持ちが重くなる。

6年間の経過観察記録|CTの結果と症状なしで続く日常

そしてあれから6年が経った。

最初の3年間は半年ごとにレントゲンやCTを撮り続けた。
結果はいつも同じ。影はある。でも大きくなっているわけでも、新しく何かが出てきているわけでもない。変化がない状態が続いた。
3年を過ぎたころ、医師から「特に変化なさそうなんで、これからは1年ごとの検査でいいですよ」と言われた。

少しだけ安心したのもつかの間、2023年に直腸がんが見つかり手術を受けた。
今は直腸がんの術後経過観察と同時に、サルコイドーシスの経過観察のCTも一緒に撮って診てもらっている。
最近撮ったCTでも、やはり「何かある」という状態に変わりはない。
画像を見た医師からは「うーん、これはちゃんと観察しておかないといけないね」と言われる。
6年経っても消えていない。なんだかなぁ、もうずっとこのままなんだろなぁ。

ただ、大きくなってはいない。症状もない。日常生活への影響もほぼない。
細かい肺機能の低下はあるかもしれないが、体感レベルでは何も感じない。
息切れもないし咳が続くこともない。不思議なくらい普通に生活できている。

もっとも「また大きくなり始めたら怖いな」という不安は正直ある。ゼロではない。

そしてつい最近、人間ドックの医師から気になることを言われた。
「2018年以前のレントゲンを見返すと、うっすら影があるように見える」と。
それがだんだん大きくなって、2019年にはっきりと目視できるようになったらしい。
ということは、気づかないうちにずっとそこにあったということだ。
その事実は、少し複雑な気持ちになった。
今は大きくなっていないとのことだが、やはり完全には安心できない。

6年間の経過観察(写真)

家族・職場への伝え方|難病でも症状なしだとうまく伝わらない

家族にはサルコイドーシスという病名は伝えていない。
肺の影については話したが、「良性だった」ということだけ伝えてそれっきりだ。
もしかしたら言ったことがあるかもしれないけど、だいぶ高齢の親にサルコイなんたらとか言ってもあまり意味はないような気がするので…。

職場には健康話のネタ的に機会があれば話している。
「難病らしいんやけど何の症状もないねん」という感じで。
そうすると、みんなわかったのかわからないような顔をしている。そりゃそうだと思う。
名前からして変な病名だし、説明もしにくい。
たぶん、よほど私に興味のある人くらいしか覚えていないと思う笑。

肺に影があると言われた人へ|症状がなければ焦らなくていい

最後に、同じように「肺に影がある」「サルコイドーシス疑いと言われた」という人に伝えたいこと。

症状がなければ、そんなに心配しなくて大丈夫だと思う。

もちろん症状がある場合は治療が必要だし、経過観察はきちんと続けてほしい。
でも無症状のサルコイドーシスは、ネットの情報を見ても死に至るような深刻な病気という印象はない。日本呼吸器学会の資料でも、約6〜7割の患者は自然に良くなると書かれている。

残念ながら自分は良くならなかった方らしく、今もモヤモヤしたまま経過観察を続けている。
確定診断は出ていないし、6年経っても「何かある」状態は変わっていない。
でも症状はないし、日常生活は普通に送れている。マラソンも走ってるし。

そして、直腸がんも経験して思うのは、人間は年齢とともにだんだん体が壊れていく、健康な体がずっと続くことはないし、いつかは塵となる、いうこと。
それを受け入れて進んでいくことが生きることなんだと思っている。
かっこよく言うとそんな感じの意識でサルコイドーシスとも付き合ってる。

スッキリした結論はない。
ただ「症状がなければとりあえず大丈夫」というのが、6年間付き合ってきた今の実感。
定期検査はしっかり受ける。それ以外はもう天に任せるしかない。
そんな感じで今日も普通に生きている。

※本記事はあくまで個人の体験談です、診断・治療については必ず医師にご相談ください。

前向きな日常(写真)

コメント

タイトルとURLをコピーしました